測量とは?
測量は地表面上の点の位置関係を確立するものとされています。
対象となる土地の状態や位置関係を調査し、境界の位置や土地の形状面積などを数値化する作業ですが、その種類は様々で、必要に応じた適正な精度と方法によって行うことになります。
実際に測量が必要な場合は、土地の売買や相続などで所有している土地を分割する時、もともとあった登記上の面積を測りなおす時などです。
測量を行うにあたって、事前に土地の実態や境界線の調査を行い、土地の範囲を確定します。境界が確定していない場合には、隣接土地所有者(市町村など)との境界確認作業を基に境界線を測量し、境界標識(境界杭・金属プレートなど)を設置して測量図を作成します。
測量の手順としては、下記のような流れで作業を進めることになります。
以下、当社の行う代表的な測量をご紹介します。
現況測量とは?
現況測量とは、既存建物やブロック塀の配置、上下水道・電柱などの位置・種類などを測量し、対象土地の寸法・面積・高さなどの有姿を図面化するものです。建物の新築・設計などに必要な、敷地形状(場合によっては高低差)・隣接地の建物配置などの測量がこれにあたります。
現況測量は、既存構造物の態様や占有状況に照らし、おおよその境界線を推定して測量します。隣接地との境界を確定するものでないため、境界立ち会いなどを行いませんので日数も短くてすみます。通常、業務受託してから5~7日程度が目安です。(事前調査2日・現地測量1~3日・図面作成2日程度)
※現場によっては日数がかかる場合があります。
境界確定測量について
境界確定測量とは、隣接する土地と土地との境界を明確にし、互いの所有権の及ぶ範囲を確定するための測量です。
自分の土地境界がどこにあるのかは重大な関心事でありますが、実際にはお互いの境界が不明確なまま使用し続けている場合が多く、ブロック塀などが隣の土地にまたがる(越境している)例など、境界線が曖昧なことに起因するトラブルは頻繁にみられます。
仮に境界標識がある場合でもその位置が間違っていることがあるため、境界確定測量に基づき互いに境界を確認した旨を書面(筆界確認証明書)として残し、越境箇所を明確にする必要があります。また、この書面をもとに境界標識が設置されると、それが目印となりトラブル防止に繋がります。
また、大抵の土地には登記簿があり、所在・地番・地積が記載されているのですが、現在のような精密機械を用いた測量結果が反映されている場合は少なく、登記簿上の地積(公簿面積)が実際の面積と異なる場面が多々みられます。
そのため、最近では土地の売買や建物を建てる場合に土地境界線を明確にし、面積(地積)が何m²(何坪)であるかを確定することが一般的になっています。また、面積の確定が必要な土地分筆登記や地積更正登記を申請する場合などにも境界確定測量が必要になります。
土地の境界を確定させるためには、隣接土地所有者との境界立会確認を行い、境界を確定させる必要があります。また、道路など(国道・市道など)の官有地に面していてその境界が未確定の場合には、関係する役所との境界確認(明示申請)により官民境界を確定させます。
土地境界確定測量の場合、隣接土地所有者との境界確認作業が必要です。そのため、法務局や役所などでの事前調査、現況の構造物などによる占用状況、隣接土地所有者との境界立会の結果によって期間が大幅に異なってきます。長い場合は何年もかかる場合もありますが、そういったケースは稀で、大抵2~4ヶ月で終わります。
その他の測量について
水準測量について
地表上の各地点の相対的高低差を定める測量です。高低差を観測する方法としては、2地点に立てた標尺の目盛りを読むことで高低差を直接観測する「直接水準測量」と、2点間の角度と距離を観測することで高低差を間接的に求める「間接水準測量」があります。
現況測量において、地盤や構造物の高低差を求める測量がこれにあたり、道路の勾配や隣接地との高低差、建物の高さなどを測量します。
真北測量について
北には「真北」と「磁北」があり、地球の自転軸の北端(北緯90度地点)を指す方位が真北です。真北は、コンパスの指す磁北とズレがあり、建築基準法では真北を北として用います。
真北測量により、住宅やマンションなどの建築の際、日照時間を考慮した設計が可能となります。
地積確定測量について
境界確定測量に関連して、土地の面積を登記申請により、公的に確定するための測量です。
ここで作成する地積測量図は、土地の登記簿に付随して法務局に備えられるもので、地積の測量に必要な座標(基準点・境界点など)、辺長などの数値並びに地積および地積の算出根拠、作成者などを記載します。
筆界特定制度
平成18年1月20日
筆界特定制度が施行されました。
一方の当事者の同意がない場合であっても、筆界について公的な判断を示す制度です。筆界特定制度は、過去に定められた筆界を特定する制度であり、新たに形成することはできません。(また、調査をつくしても筆界の位置が不明な場合、線ではなく、筆界の位置の範囲を特定することになります。)
筆界特定制度について
土地の境界確認で…
- お隣さんの行方が不明である
- お隣さんが立会に協力してくれない
- 境界について争い、主張の食い違いがある
- 「筆界未定地」にあたる
などの理由で、どうしても合意に至らず、
頭を悩まされておられる土地所有者様も多いのではないでしょうか?
以前は、解決の主な方法は裁判(境界確定訴訟等)でしたが…
平成18年1月20日に施行された筆界特定制度が一つの問題解決の手段と成り得ます。
筆界特定制度のメリットとデメリット
筆界(境界)確定訴訟に比べて、期間が短く、費用を抑えられる
筆界特定を申請して、特定されるまでに約8ヶ月~1年位かかりますが、筆界(境界)確定訴訟は約2年、ケースによってはそれ以上となります。また費用については、筆界特定制度も申請費用・測量費用はかかりますが、筆界(境界)確定訴訟の費用(弁護士費用・鑑定費用・実地検証のための裁判官・書記官の出張経費などの訴訟費用・自らの主張する境界を明示した図面を土地家屋調査士に作製してもらう費用等)と比べた際、経済的な負担を軽減することができます。
隣人に対する影響が少ない
訴訟のような当事者間で原告・被告となる対立構造をとるのではなく、客観的に筆界が判断されます。
隣人を訴えるという心理的負担は、筆界(境界)確定訴訟より少ないかと思われます。
筆界特定後に筆界(境界)確定訴訟に発展した場合
筆界特定の資料は訴訟においても活用され、無駄になることはなく、筆界特定と同じ結論に至る可能性は高い。
筆界特定後に登記が可能
土地の分筆・地積更正登記ができます。登記簿に筆界特定された旨が記載されます。
あくまでも、筆界を特定するものです
筆界とは、ある土地が登記された時にその土地の範囲を区画するものとして定められた線であり、所有者同士の同意・時効取得等によって変更することはできません。
筆界が特定されても境界標が設置されない
隣接所有者の合意がなければ、境界標を設置することができません。
筆界の位置を特定できないケースがある
その際は、筆界の位置の範囲が近似値で特定されます。よって、残地分筆等の対応が必要となるケースがあります。
以上、筆界特定制度について、ポイントを絞って表記しましたが、ご不明な点・ご質問 その他 費用についても、お気軽にお問い合わせください。専門のスタッフが丁寧に、対応させていただきます。